サーキュラーデザインスタジオ

蒲郡市・⽵本油脂・⽇本特殊陶業・新東通信(CDS.)4者によるサーキュラーエコノミーの実現を目指した官⺠合同の「地域CCU®プロジェクト」を展開します

株式会社新東通信(本社:東京都中央区、愛知県名古屋市、代表取締役会⻑兼社⻑:⾕ 喜久郎)は、蒲郡市(市⻑:鈴⽊ 寿明)、⽵本油脂株式会社(本社:愛知県蒲郡市、代表取締役社⻑:⽵本 元泰)、Niterra グループ⽇本特殊陶業株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社⻑:川合 尊)と、蒲郡市内の⼯場で製品製造過程において排出されたCO₂を回収・運搬して、ハウスみかん栽培に再活⽤する、サーキュラーエコノミーの実現を⽬指した、「地域CCU®※プロジェクト」を開始します。


※CCUは、Carbon dioxide Capture and Utilizationの略で、今回のプロジェクトでは、地域(蒲郡市)の中でCO₂を再活⽤するまちづくりを⽬指します。

■ 本プロジェクト構築の背景
政府が「2050年カーボンゼロに伴うグリーン成⻑戦略(※1)」や「地域脱炭素ロードマップ(※2)」など、カーボンニュートラルを始めとする様々な環境問題対策を⾏っている中で、蒲郡市はサーキュラーエコノミーを実現する「サーキュラーシティ蒲郡(※3)」を掲げています。そこに数々の地⽅創⽣プロジェクトのプロデュースを⾏っている新東通信のコーディネートで、⽇本特殊陶業がサーキュラーシティ蒲郡の⽬指す「ウェルビーイング」に共感し、蒲郡市に本社を置いている⽵本油脂とCCUの実証を社外で初めて蒲郡市に提案し、本プロジェクトは実現しました。また、本プロジェクトに賛同した、愛知県農業総合試験場と豊橋技術科学⼤学、中部共栄運輸もオブザーバーとして参画いたします。

蒲郡市におけるCO₂サーキュレーションモデルの確⽴、サステナブルな街づくりに貢献することを⽬的に本プロジェクトは発⾜しました。脱炭素を各者がそれぞれ連携して⾏っていくことで、CO₂を地域循環させ、地域の抱える社会的な課題に対して、カーボンニュートラルを⼿段とすることで、1次産業の活性や、観光資源の掘り起こし、雇⽤創出、まちのブランディングなど地域の課題の解消に取り組みます。

■ プロジェクト概要と効果
本プロジェクトでは、⽵本油脂⻲岩⼯場から排出されるCO₂を回収し、⽇本特殊陶業の持つ回収技術で、流通⽤ドラム⽸に回収し、中部共栄運輸が愛知県農業総合試験場園芸研究部常緑果樹研究室に輸送を⾏います。輸送されたCO₂はハウスみかんの成⻑促進⽤のガスとして実証実験に再活⽤されます。なお、出来上がったハウスみかんはCO₂を再活⽤した商品の社会的な価値の検証をするために使っていきます。

愛知県農業総合試験場園芸研究部常緑果樹研究室では、ハウスみかんの栽培において⾼収量な⽣産物を得るため、豊橋技術科学⼤学の技術協⼒のもと、ハウス内の温度やCO₂濃度の制御に関する試験を⾏っています。締め切った冬季のハウスでは、作物の光合成に必要なCO₂が不⾜しがちであるため、現状では、灯油を燃焼させて発⽣する CO₂を利⽤しています。この⽅法に替わり、蒲郡市内の⼯場で発⽣するCO₂を回収し、農場に提供するサプライチェーンを構築することで、地域のカーボンニュートラルに貢献する持続可能な施設農業の確⽴を⽬指します。
また、履歴管理システムを導⼊することで、CO₂回収と供給の履歴を残し、最適な提供頻度を⾒出していき、ゆくゆくは地域のCO₂の需要と供給を可視化するデータベースを作り、地域の中でCO₂を取り扱いやすくなることを⽬指します。

■ 各者の役割

・蒲郡市:サーキュラーシティ実現に向けた市⺠や事業者への情報発信、並びに、賛同者の拡⼤を⽬指す
・⽵本油脂株式会社:排出設備、場所の提供を通じ、CO₂を削減する取り組みを促進する
・⽇本特殊陶業株式会社:CO₂の回収を通じ、CO₂の再活⽤を推進する
・株式会社新東通信(CDS.):サーキュラーシティづくりに貢献するために、蒲郡市と共創
・愛知県農業総合試験場:CO₂がハウスみかんの⽣育や果実にどのような影響を与えるのかを調査
・豊橋技術科学⼤学:CO₂利⽤(植物成⻑へ使われた量)の計測、みかん樹体の光合成への影響を調査
・中部共栄運輸株式会社:⽵本油脂⻲岩⼯場で回収されたCO₂を、愛知県農業総合試験場まで運搬

■ 今後の展開
本実証は2024年2⽉〜8⽉にかけて、週10kgのCO₂を回収し、愛知県農業総合試験場で再活⽤します。2024年から2025年にかけては、ハウスみかんの育成のほか、多⽤途に再活⽤すること、CO₂の⼩規模販売トライアルを実施する予定です。2030年にはブルーカーボンやメタネーションへのCO₂展開も⾒据え、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、年間10万トンのCO₂削減を⽬指して参ります。

蒲郡市はじめ、本プロジェクト参画各者は、実証実験で得られた成果を市⺠や市内の事業者に向けて発信し、市⺠の環境意識の向上、賛同する事業者の拡⼤を図り、市内のみならず、広く愛知県内へと、その事業領域の拡⼤を図っていきます。

■ 本プロジェクトに対する各者の想い
・蒲郡市 市⻑ 鈴⽊寿明
 「産業が発展し、ウェルビーイングを感じる持続可能な「サーキュラーシティ」を創りたい」
・⽵本油脂株式会社 代表取締役社⻑ ⽵本 元泰
 「蒲郡市の産業発展と将来的なCO₂削減に繋がる取り組みに貢献したい」
・⽇本特殊陶業株式会社 代表取締役 取締役副社⻑ 副社⻑執⾏役員 松井 徹
 「CO₂の再活⽤で、企業の成⻑と、社会と地球の持続可能性を両⽴させる『トレードオン』を実現する」
・株式会社新東通信 取締役 神⽥ 仁志
 「様々な企業の特技を掛け合わせていくことで、サーキュラーエコノミーを実装し、サーキュラーシティづくりに貢献したい」

<参考URL>
※1: 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成⻑戦略 – 経済産業省公式ホームページ(meti.go.jp)
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/index.html
※2: 国・地⽅脱炭素実現会議 (地域脱炭素ロードマップ) – 内閣官房公式ホームページ(cas.go.jp)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/datsutanso/index.html
※3: サーキュラーシティ蒲郡 – 愛知県蒲郡市公式ホームページ (gamagori.lg.jp)
https://www.city.gamagori.lg.jp/site/circularcity/